こんにちは!パソコンの世界、そしてありがとう♪のページ
更新日:2013年11月15日
まだあーちゃんは道の途中だけど、パソコンを本気で勉強することにしたいきさつをまとめてみました。
今のあーちゃんをを支えてくれてるのは、家族と、それは素敵な仲間たちだ!
★
平成21年春
視覚障害者の友だちに教えてもらい、障害者がただでパソコンを習えるというパソコン教室へやってきた。
しかし…10人募集してたのに生徒はたった二人。それに対して先生は二人。
いったいなんなんだ?この教室は!大丈夫かな?
4回で終了の基礎コースで、そのうち2回は生徒があーちゃんひとり。そして先生二人。
まいったなぁ、もぉ!
でも、これが幸いし、先生二人に取り囲まれ、眠たくなる間もないくらいしっかり一から教えてもらった。
文書入力にメール、インターネット。このスタートがよかったのかもしれない。基礎はバッチリさ!
視覚障害者でパソコンのディスプレイが見えない人は音声ソフトを入れてその音声を聞きながら操作する。マウスは使わず、キーボードだけで操作するんだ。
★
平成21年夏
息子の学校のPTA会長から電話が。この会長は、あーちゃんの大昔の元彼。
「3年生の副学年委員長が引越したから代わりにやってくれないか?」
話によるともう他のみんなは役員をやっていて、3年生の保護者でやってないのはあーちゃんだけだった。視覚障害者だからはずしてもらってたんだけどね。
それでもかまわないって言うから、元彼の頼みだからしゃあないなぁ、と引き受けることにシタ。
あーちゃんの仕事は、運営委員会に出て、その内容をまとめて他の学年委員に渡すこと。
よっしゃ!パソコンでまとめちゃおう!
あーちゃんはパソコンとICレコーダーを持って委員会に出かけた。
委員会があるたびにひたすら文書作成の日々。このおかげでタイピングに自信が持てるようになった。
★
平成21年秋〜冬
あーちゃんは今まで、子供たちのおけいこごとや子ども会やPTAなどでお世話役などをして
動いてきたけど見えてる人たちの中でやってきたから疲れてたみたいだ。気疲れってやつかな?
でも、視覚障害者のパソコン教室にいるとなんか楽しい。
みんな明るくて優しいし、少しでも見える人が見えない人を助けてる。
あーちゃんも自分よりよく見えてる人にたくさん助けられた。これが、仲間っていうものかな?
教室のスタッフや先生方もすごく優しくて、こんなにも優しくしてもらっていいのかな?と思ったくらい。あーちゃんはよっぽど厳しい世界にいたんだなあ。
よし、気に入った。しばらくここで勉強することにしよう。
友だちといってもいろんな年齢の人がいる。
80歳代のおばあさんが中級コースでワードを習ってると聞いた。すごい!
それってマイクロソフトのワープロのこと?それやりたい!
家に帰って自分のパソコンの中を探した。あった!ワードが入ってた!でも使い方がわからない。
こうなったら習うしかない。
でも、中級で習うんだったらテストを受けて合格しないとだめなんだって。自信ない。
でもワードやりたい。これって見えてる人がみんな使ってるソフトだよね。
見えなくても使えるんだったらぜひやってみたい。がまんできなくなりテストを受けた。
全問正解の一発合格!すごいだろ?びっくりした。
1月からワード習えることになった。これで見えてるみんなと張り合える。
このころ、あーちゃんはオフィスワードの使い方を知らなかった。
★
平成22年冬
オフィスワードができるようになってから、見えてる友達が、一目おいてくれるようになった。
「へぇ〜、見えないのにワードできるんだ!すごいね」ってね。
あーちゃんのパソコンの腕が上がるとPTAのみんなも、息子の学校の先生もすごく喜んでくれた。
見えないあーちゃんでも、人の役に立てるんだって思うと自分に自信が持てるようになった。
だからもっとパソコンを勉強しようと思うようになった。「ブタもおだてりゃ木に登る」というわけ。
もちろん、ワードでも音声ソフトは使うよ。
あーちゃんたち視覚障害者のパソコン教室は、前でしゃべるメイン講師が一人いて、
あとサブ講師という先生が二人ついて、授業がわからなくなったらパソコン操作を助けてくれる。
とても心強いお助けマンだ。
サブの先生の中によくパソコンのことを知っていて、あーちゃんに色々なことを教えてくれる先生がいた。
先生たちみたいになりたい!あーちゃんはサブ講師を目指そうと思った。
パソコン教室のスタッフの人にきいたら、それはITサポーターというらしい。
研修もあるけど、はっきりと言われた。視覚障害者にはできない。募集してないって。
そんなのやってみなけりゃわからないじゃないか!バカ!泣いた。見えないことが悔しかったから。
でも見えてなかったら生徒さんのパソコンが調子悪くなった時すぐに行ってすばやく確認できないもんね。
悔しかった腹いせに思った。「こうなったら前に出てしゃべくりまくるメイン講師はったる!」
どこでどう教えるかわからないけど、とにかく視覚障害者の人たちのパソコンの先生になりたい!
強く思うようになった。見えなくても負けないぞ!
★
平成22年春〜夏
パソコン教室に通うようになって1年。これから何をしようかな?
パソコンの先生になりたいから、講習会を受講しながらその先生方を勉強しようと思った。
いろんな先生がいて楽しい。それぞれの先生のいいところいっぱい見つけた。
このころ、あーちゃんは2月に習ったエクセルにすごく興味を持っていた。
それまでは、エクセルって聞いたことあるけど、どんなものかまったくしらなかった。
パソコンの画面が見えてないあーちゃんに、まるでエクセルの画面が見えてるって思うくらいていねいに
教えてくれる先生がいた。
だからエクセルの画面が見えてなくてもエクセルの基本的なワザはできるようになった。エクセル大好き!
すごくうれしかった。できるのなら、一度でいいからエクセルの画面を見てみたい。
頭で描いてるのとどこまで同じかな?エクセルが大好きになった。
パソコン教室の友だちで、将来パソコンの学校に入って本格的に勉強しようと行動してる人がいた。
なんかおもしろそう!ついていくことにした。
あーちゃんは友だちと二人でいくつかの学校を訪ねた。
今よりもたくさんのことをタダで教えてくれるところがあるそうだ。
これがまたおもしろくて、二人ともよく見えてないから電柱やバス停によくぶつかった。
視覚障害者が二人、道を歩いてるのを想像してみて。ウッシッシ!
あーちゃんがバス停にぶち当たった日、「これや!」と思う学校を見つけた。
視覚障害者の職業訓練校で、朝から夕方までパソコンを勉強するらしい。
そして、ここの1年コースを卒業した後、目が不自由でも
視覚障害者のためのパソコンの先生をやってる人がいるということも聞いた。
1年コースと2カ月の短期コースがあった。10月開校で、友だちは1年コースに入った。
あーちゃんはまだ心の準備と子供たちのしつけができてなかったので短期コースに入って
様子をみることに。少しパソコン教室を離れて修行するのもいいかもしれない。
来年4月にも1年コースが開講するので、その時に1年間やってみることにした。
★
平成22年秋
2か月だけど通えることになった。
うれしかったけど、2か月毎日朝から夕方まで、土曜日と日曜日は休みがあったけど家事ができない!
通学に1時間半かかるし。
でも、パパと子供たちは、あーちゃんが学校に入ることを快く理解してくれた。
おしゅうとめさんもすごく応援してくれて、面接試験に着ていく服まで買ってくれた。
これはがんばらなくては…。夢を応援してくれる家族がいる。しあわせだなぁ。
★
平成22年10月〜12月
10月3日、職業訓練校でのあーちゃんのパソコンの勉強が始まった。しかし…、めちゃ厳しい。
職業訓練だけあってパソコン教室だけで仕入れた知識では限界があった。
見えなくても企業の即戦力になれ!仕事は速く正確に!見えなくても見えてる人たちと同じ事を勉強する。
そうしないと見えてる人たちと同じ土俵で戦えないから。
パソコンを始めて1年半のあーちゃんにはしんどかった。
家でも復習に時間を取られ、家事ができない!
でも、パパも子供たちもよく助けてくれた。
自分でお弁当作ったり、あーちゃんが眠くて部屋でぶっ倒れてたらフトンを持ってきてかけてくれたり。
パパも休みの日は夕食を作ってくれた。
あーちゃんが動かないので仕方ないからみんなよく動くようになったみたいだ。
やったぁ!やっぱり今までかまいすぎてたんだ。みんなありがとう。
いつかあーちゃんが稼げるようになったときこのお返しはするからね。待っててね。
★
平成22年11月
10月の訓練生は9人で、短期訓練生は二人。あーちゃんより年上の人が多く、女子はあーちゃんだけだった。紅一点!おまけに、ママさん訓練生は何年かに一人だそうだ。
パパさん訓練生も何人かいて、みんな家族を守るために必死で勉強してる。
あーちゃんなんかサラリーマンのパパに支えられていて、自分の夢のためにパソコンやってる。
恵まれてるね。自分ももっともっとがんばらないとねと思った。
でも、あーちゃんだってこの環境の変化についていくのに必死だった。
少し前まで、子供たちが学校へ行ったあと、家事を片付けて、夕ご飯の残りを昼食にワイドショーを見てた専業主婦が…。この環境の変化についていくのがしんどかった。
訓練中、落ちこぼれた時助けてくれたのはこのパパさんたちだった。
あーちゃんが理解するまで付き合ってくれて、パソコンを教えてくれた。
どうしてもできない課題があって、見えてたらこんなことすぐにできるのにな、って思うと
見えないことが悔しくて涙が出て来た。
でも、もしあーちゃんが視覚障害者でなければパソコンなんかやってなかっただろうな。
泣いてたら先生が教室に来た。この先生はできないとすぐに怒るからあーちゃんは苦手だった。
「見えてない者は見えてる者の何倍も努力しなさい。練習しなさい」が口癖。
努力しても見えないものは仕方ないんだよ!
先生は、「あなたは、まだ音声パソコンを始めて1年半。ここまでできるようになったのはすばらしいこと。かなり努力されたんだと思います。その力を信じてあわてず、あせらず落ち着いて操作しなさい。
タイピングが遅れてもあなたならすぐに追いつけるから。
エクセルは、落ちついてセルの声を何度も聞きなさい。たくさんのこと教えてくれるはずです。
自分の実力を信じてあわてないことです」と先生は言った。
すごく以外だった。落ちこぼれのあーちゃんは絶対この先生に嫌われてると思ってたから。
すごくうれしい声かけだった。よっしゃ!自信が出てきた。あーちゃんっておだてられると弱いんだよな。よくわかった。
★
平成22年12月
2ヶ月の訓練の終わりが近づいてきた。せっかく仲良くなったみんなとお別れ…。
来年の9月まで勉強する友だちが言った。「さよならじゃないよ。また4月から1年コースに来るんやろ?」
「うん。でももっと難しい試験に合格しないと来られないし、家のこともあるからね。自信ないよ」と。「みんなとここまでついてこれたんだから。合格できるよ。また、エクセル教えてやるから」
うれしくて涙が出た。またみんなと一緒にパソコンを勉強したい!昼めし食べたい!
12月3日、短期訓練の修了式。みんなの拍手の中、涙、涙で修了証書を頂いた。
『あーちゃん、修了証書ゲットだぜ!』
「誰に一番に見せる?」と友だち。「もちろん、パパと子供たちだよ」
「4月になったらまた一緒に勉強しような」「絶対1年コースで帰っといでや。みんな待ってるから。
友だちやろ」
たった2ヶ月しか一緒にいなかったのに。また素敵な仲間ができた。
絶対、4月になったらまた訓練校に戻ってくる!あーちゃんはそう誓った。今度は1年だ。
情報処理科パソコン活用コース合格目指してがんばるぞ!
そして、一緒にがんばった仲間たちの待つ訓練校に帰るんだ!約束だから…。
★
音声パソコンと出会ってたった1年半。
文章が読めない、字が書けない、しゃべることしかできなかったあーちゃんはパソコンのおかげで
友だちや家族とコミュニケーションできるようになった。
本が読めなくてもインターネットでいろいろ調べれるようになった。
字が書けなくてもワードで手紙が書ける。電子メールもできる!
この喜びを他の視覚障害者の人たちにも教えてあげたい。
そう思ったからパソコンの先生になろうと思った。
★
うれしくて、辛くて、感動してたくさん泣いてきた。
訓練校でもよく泣いて、「もう、泣くなよ。泣き虫!」といわれたこともある。
これからもいっぱい泣くかもしれないけど夢をかなえるための涙なら流しても惜しくないと思う。
★
『見えない人は見えてる人の何十倍も努力しないといけない』
軽く聞き流してたこの言葉の重みをひしひしと感じた。
あーちゃんの家にはパパが考えた家訓があって、『夢はかなうものじゃなくて自分でかなえるもの』。
でも、がんばるってしんどいときもあるよね。
壁にぶつかることもあるけどあーちゃんは、この壁をブチ割ってでも前に進むつもり。
それしかとりえがないから、どうしてもパソコンの先生になりたいから…。
★
あーちゃんが職業訓練校でパソコン勉強できるだけの力をくれた、育ててくれたパソコン教室と
そこでであった先生方に最大級のお礼をいいます。「ありがとう!」
Road to PC Instructor 1 「絶対、パソコンの先生になる!」のページへ戻る
新着便りのページ
パソコンママ鉄あーちゃん、自己紹介のページ
Road to PC Instructor 2 「我が青春の職業訓練校」のページ
トップページに戻る